海外FXの確定申告ってどうやるの?
そもそも確定申告って何?
海外FXで利益を出し始めた人の多くは、上記のような確定申告にまつわる悩みを抱えているのではないでしょうか。
海外FXの利益を確定申告する方法を正しく理解していなければ、知らないうちに脱税を行なってしまっているかもしれません。
そこでこの記事では以下の4つについて解説していきます。
- 海外FXにおける確定申告の基礎知識
- 海外FXで得た利益の節税方法
- 海外FXの確定申告のやり方を画像付きで解説
- 海外FXの確定申告に関してよくある質問
海外FXの利用には大きなリスクが伴うため、WikiFXでは海外FXの利用をオススメしていません。
理由は以下の2つです。
- 海外FXは金融庁から認可を得ておらず、違法であるから
- 海外FXは詐欺被害に遭いやすい上に、救済手段が限られている
海外FX業者は日本の金融ライセンスを取得しないまま日本の居住者に対してサービスを提供していますが、これは金融商品取引法違反になります。
トレーダーが無登録の海外FX業者でトレードすることは違法にはなりませんが、詐欺被害に遭った際には詐欺被害を回復することが困難です。
FX取引は、金融商品取引法上のデリバティブ取引に該当します。日本に居住する投資者に対してFX取引を業として行うには、金融商品取引業の登録が必要です。たとえ海外で金融商品取引のライセンスを持つ業者であっても、日本で登録を受けずに日本に居住する者に対して金融商品取引を業として行うことは禁止されています。
無登録業者と取引した場合は、トラブルが生じても無登録業者への追及は極めて困難です。取引を始める前に、取引の相手が金融商品取引法の登録を受けている業者であることを必ず確認してください。
金融庁公式HP
また海外FXで得た利益に対しては高い税金が課されるという税金面でのデメリットが存在します。
したがって、WikiFXでは安全面、税金面で優れている国内FX業者の利用をオススメしています。
海外FXにおける確定申告の基礎知識
普段はサラリーマンとして給与所得を得ていて、副業なども特に行なっていない方にとってはそもそも確定申告そのものに関する知識が少ないかもしれません。
したがってここでは確定申告についての基礎知識を確認した上で、海外FXにおける確定申告について詳しく解説していきます。
- そもそも確定申告とは?
- 海外FXの確定申告はいくらから必要?
- 海外FXの納税額の計算方法
- 海外FXにおける白色申告と青色申告とは?
- 海外FXと国内FXの課税方法の違い
今年度初めて確定申告を行うことになりそうな方は、早めの段階で確定申告に関する理解を深めておきましょう。
そもそも確定申告とは?
確定申告とは、1月1日から12月31日までに生じた所得にかかる税金を必要な書類とともに税務署に対して申告する作業のことです。
所得とは、収入から経費などを差し引いた金額のことを指します
「年収2,000万円以下で、1ヶ所からしか給与をもらっておらず、給与所得以外での収入が20万円以下」の人は確定申告を行う必要はありませんが、この定義に当てはまらない以下のような人は全員確定申告を行う必要があります。
- 給与所得で年収2,000万円を超える
- 複数の会社から所得を得ている人
- 給与所得以外の収入が20万円を超える
- 給与所得を得ておらず、収入が38万円を超える(個人事業主・フリーランス)
給与所得者の場合、会社が所得税の年末調整を代わりに行なってくれています
また確定申告を行う必要がない人であっても、確定申告を行うことで還付金が戻ってくるケースがあります。
- 複数のアルバイトやパートを掛け持ちしている人
- 医療費に年間10万円かかった人
- ふるさと納税を利用した人
海外FXの確定申告はいくらから必要?
- 給与所得者:海外FXの利益が20万円を超える
- 非給与所得者:海外FXの利益が38万円を超える
海外FXで確定申告が必要となるのは、以上のような場合です。
ここでは「海外FXの利益が」と書きましたが、正確には海外FXでの利益を含むその他の雑所得が20万円、または38万円を超える時に確定申告が必要になります。
海外FXの利益:10万円
ブログ・アフィリエイトの利益:15万円
会社員Aさんは給与所得者なので、給与所得以外の収入が20万円を超える場合に確定申告をする必要があります。
海外FXの利益が10万円ですが、ブログ・アフィリエイトで15万円の利益が発生しているので、副収入の合計額は25万円です。
したがって、海外FXで10万円しか稼いでいない会社員Aさんでも、確定申告をする必要があります。
海外FXの納税額の計算方法
海外FXの利益に確定申告が必要とわかったら、次にいくら納税する必要があるのかを計算します。
雑所得に分類される海外FXの利益は総合課税の対象になるので、給与所得やその他の所得と合算した額で確定申告での税率を決定します。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額(円) |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000 |
1,800万円を超え 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000 |
税率を計算する時は以上のような早見表を利用すると便利です。
給与所得と海外FXなどの雑所得の所得の合計を求めたら、早見表で自分の所得に該当する項目を見ます。
自分の所得の合計から所定の控除額を差し引いた金額に税率を掛け合わせて税金を算出します。
海外FXにおける白色申告と青色申告とは?
確定申告を行う際は白色申告か青色申告のどちらかを行うことになります。
項目 | 白色申告 | 青色申告 |
---|---|---|
税制上の優遇措置 | なし | 最大65万円の特別控除30万円以下の減価償却資産は一括で経費にできる「3年間の損失繰越」など |
条件 | なし | 「青色申告承認申請書」と「開業届」を税務署に提出 |
提出書類 | 少ない | 多い |
帳簿 | 簡易帳簿 | 複式帳簿 |
青色申告を行うためには「青色申告承認申請書」と「開業届」を申告したい年の3月15日までに行う必要がありますが、白色申告は何の手続きも必要としません。
残念ながらFXが事業として認められることは少ないので、開業届が受理される確率は低いです。
青色申告は白色申告に比べて手続きが複雑である分、「最大65万円の特別控除」をはじめとした優遇措置を受けることができます。
ただし、金融庁に無登録である海外FXでは「3年間の損失繰越」が認められていないことには注意する必要があります。
したがって、海外FX以外の雑所得がある場合は青色申告で積極的に節税を行うことをオススメできますが、海外FXのみの場合は節税が期待できないので白色申告でも良いでしょう。
海外FXと国内FXの課税方法の違い
海外FXと国内FXでは課税方法が異なることに注意する必要があります。
海外FXと国内FXのどちらも雑所得に分類されているのですが、国内FXには総合課税ではなく申告分離課税という課税方法が用いられます。
申告分離課税では、国内FXのみの所得で税率を計算することになり、税率はどれだけ稼いでも一律で20.315%と決まっています。
また先ほど解説した青色申告に関しても、国内FXの場合は「3年間の損失繰越」が可能になります。
このように国内FXは税制上優遇されていることから、海外FXに比べて効率的に資金を増やすことができます。
海外FXの節税方法は?
海外FXで節税する方法は以下の4つが考えられます。
- 経費計上を利用する
- 法人口座を利用する
- 損益通算する
- 両建てやボーナスを利用する
1つ目は経費計上を利用することです。
海外FXの利益を確定申告する際には、同時に海外FXにおける経費も計上することができます。
海外FXで経費計上できるものは以下のようなものが挙げられます。
- セミナーや書籍の費用
- 交通費
- 宿泊費
- 家賃
- 光熱費
- インターネット費
- パソコン、備品の購入費
- その他消耗品(筆記用具、プリンター、インクなど)
- スマホやタブレット
- EAやインジケーターの費用
- 借金の利息
2つ目は法人口座を利用することです。
これはある程度安定的に利益を出せるようになってからオススメする手段ですが、法人口座であれば累進課税よりも税率を抑えられたり、経費計上の幅が広がったりと様々なメリットがあります。
3つ目は損益通算をすることです。
雑所得に分類される海外FXの利益は、他の雑所得と損益通算することができます。
海外FXでの利益を他の副業のマイナス分と相殺させて確定申告することで、課税対象額を減らすことができます。
4つ目は両建てやボーナスを利用することです。
しかしこの手段は一時的に利益を抑えることで、納税を先延ばしにしているだけであることは覚えておく必要があります。
海外FXの確定申告のやり方を画像付きで解説
ここまで海外FXで確定申告を行うための基礎知識について解説してきました。
ここからは実際に海外FXの利益を確定申告する方法を画像付きで解説していきます。
- 海外FXにおける確定申告の必要書類とは
- 海外FXの年間取引報告書の発行方法
- 海外FXの確定申告書の書き方を画像で解説
海外FXにおける確定申告の必要書類とは
海外FXの利益を確定申告する際には、必要となる書類がいくつかあります。
- マイナンバーカード(通知カード)
- 本人確認書類
- 源泉徴収票(給与所得者のみ)
- 控除証明書
- 経費のレシートや領収書
- 年間取引報告書
これらの書類は青色申告と白色申告ともに必要となります。
この中で必ず用意しなければならないのは、「マイナンバーカード(通知カード)」「本人確認書類」になります。
「源泉徴収票」は給与所得者の場合は会社から受け取ることができますが、こちらは確定申告書を作成する際に必要になるだけであって、提出の必要はありません。
「経費のレシートや領収書」「年間取引報告書」も提出の必要はありませんが、税務署から提出を求められるケースがあることを覚えておきましょう。
レシートや領収証、年間取引報告書の保管期間は7年が基本とされています
海外FXの年間取引報告書の発行方法
海外FXの年間取引報告書は確定申告の際には特に提出義務のない書類ですが、税務署に提出を求められることがあるので、発行方法は知っておいたほうが良いです。
ここでは海外FXの中でもメジャーな取引プラットフォームであるMT4で年間取引報告書を発行する方法を解説します。
MT4を起動してログインします。
MT4の画面下部のターミナルから、「口座履歴」を選択します。
口座履歴のターミナル上で右クリックをして、「期間のカスタム設定」をクリックします。
すると「期間のカスタム設定」というウィンドウが表示されます。
年間の取引報告書を表示させるには、「開始」に1月1日「終了」に12月31日を指定します。
期間の指定が終わったら、「OK」をクリックします。
ターミナル内に取引履歴が表示されたら、再びターミナル上で右クリックをして「レポートの保存」をクリックします。
最後に保存先を指定して、「保存」をクリックすればダウンロードが完了します。
海外FXの確定申告書の書き方を画像で解説
ここでは実際に確定申告書を作成する手順を画像付きで解説していきます。
まず、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスします。
アクセスしたら、「申告書等を作成する」という欄にある「作成開始」をクリックします。
もし過去に作成している場合は、「保存データを利用して作成」をクリック
次に確定申告書の提出方法を以下の4つから選択します。
- マイナンバーカード方式(2次元バーコード)
- マイナンバーカード方式(ICカードリーダライタ)
- ID・パスワード方式
- 印刷して提出
4つのうち「印刷して提出」以外はe-Taxでの提出になります。
e-Taxを利用するには電子申告等開始届出書を税務署に提出する必要があります。
この中で希望する提出手段を選んでクリックします。
今回は「印刷して提出」の手段をとった場合で解説していきます。
確定申告書を作成したい年度の欄にある「所得税」をクリックします。
「次へ進む」をクリックします。
生年月日を選択します。
今回は海外FXの利益を確定申告するので「はい」をクリックします。
「はい」をクリックすると、追加の質問が2つ表示されます。
青色申告の承認を受けている場合は「はい」をクリックします。
予定納税額の通知を税務署から受けている場合は「はい」をクリックします。
予定納税額とは一度の税負担を軽減するために、所得税の一部を先払いにする制度です。
全ての入力が完了したら「次へ進む」をクリックします。
海外FXの利益は雑所得に分類されるので、雑所得の「業務、その他」の欄をクリックします。
雑所得の入力画面になったら「入力する」をクリックします。
新たなウィンドウが出てくるので、海外FXの利益に関する情報を入力していきます。
- 種目:(その他)証拠金取引
- 業務に該当しますか:いいえ
- 収入金額:(年間取引報告書のP/L)
- 必要経費:(発生した必要経費)
- 源泉徴収税額:(源泉徴収票から参照)
- 所得の生ずる場所又は法人番号:(海外FX業者の住所)
- 報酬などの支払者の氏名・名称:(海外FX業者の名称)
全て入力が終わったら「入力内容の確認」をクリックします。
海外FX業者の住所は海外FX業者の公式サイトから調べてください。
保険年金の受給がある場合は「はい」をクリックします。
最後に「次へ進む」をクリックします。
これで海外FXの利益に関する入力は完了しましたが、給与所得がある場合は追加で入力が必要です。
給与所得の入力の際に源泉徴収票が必要です
全ての入力が終わったら「入力終了(次へ)」をクリックします。
所得控除を入力する画面になるので、該当する控除を選択して入力します。
入力が終わったら「入力終了(次へ)」をクリックします。
「税額控除」「その他の項目」についても該当するものがあれば入力していきます。
最後に「入力終了(次へ)」をクリックします。
納税額が計算されて表示されます。
納税額が問題なければ「次へ」をクリックします。
住民税や事業税に関して入力が必要なければ、「入力終了(次へ)」をクリックします。
「納税地情報」「申告書を提出する税務署」「氏名等」を入力します。
全ての入力が終わったら、「次へ進む」をクリックします。
マイナンバーを入力し、「次へ進む」をクリックします。
今回は「印刷して提出」を選択しているので、今まで入力してきた確定申告書を印刷する必要があります。
「帳票表示・印刷」をクリックすると、パソコンにダウンロードが行われます。
確定申告書は同時にダウンロードできる「添付書類台紙」に貼り付けて、税務署に郵送することになります。
以上が確定申告書の書き方です。
海外FXの確定申告に関してよくある質問
ここでは海外FXの確定申告に関してよくある質問に回答していきます。
- 海外FXのボーナスは確定申告する必要ある?
- 海外FXと国内FXは損益通算できる?
- 海外FXの利益を確定申告しなかったら、バレる?
- 海外FXの口座がドル建ての場合、確定申告はどうすれば良い?
海外FXのボーナスは確定申告する必要ある?
海外FXでは「口座開設ボーナス」「入金ボーナス」「取引ボーナス」などのボーナスを受け取れることがあります。
確定申告が必要かどうかは現金化しているかどうかが判断基準になります。
その点を踏まえると、海外FX業者で受け取れるボーナスの多くは現金に換金できないものの、取引の証拠金として利用できるという性質を持っています。
したがって、海外FXのボーナスは確定申告する必要はありません。
ただし、海外FX業者の中にはボーナスを現金化できるケースがあります。
XMでは取引ボーナスでもらえるXMPを現金化することができます
この場合、キャッシュバックとして雑所得に計上する必要があります。
海外FXと国内FXは損益通算できる?
海外FXを複数利用している場合は、一方の海外FX口座の損失をもう一方の海外FX口座の利益と損益通算させて確定申告することができます。
しかし海外FXと国内FXを併用している場合の確定申告には注意が必要です。
前述のように、海外FXは総合課税で国内FXは申告分離課税が採用されています。
したがって、異なる課税方法が採用されている国内FXと海外FXでは損益通算することができません。
海外FXの利益を確定申告しなかったら、バレる?
海外FXで一定以上の利益をあげているのにもかかわらず無申告だった場合、脱税のペナルティを背負うことになります。
ペナルティ | 概要 |
---|---|
過少申告加算税 | 確定申告書の申告納税額が少なかった場合に課せられる。正しい納税額の10%が加算される事が多い。 |
無申告加算税 | 確定申告の期限までに必要な申告を行わなかった場合に課せられる。忘れていた場合でも課せられ、金額に対する15%~20%が加算される事が多い。 |
不納付加算税 | 確定申告で申告された税額を期限までに支払われなかった場合に課せられる。税額の10%が加算される事が多い。 |
重加算税 | 意図的に納税額を偽装または隠蔽し、無申告や過少申告を行った場合に課せられる。税額の35%~40%が加算される事が多い。 |
逮捕 | 脱税や過少申告をした上で、逃亡や証拠隠滅の恐れがある場合。 |
たとえ海外口座であっても利益の存在はバレてしまうので、正直に確定申告しましょう。
海外FXの口座がドル建ての場合、確定申告はどうすれば良い?
海外FXでは円以外の通貨で口座を開設することができます。
しかし、確定申告の際は他の所得と同様に「円」で利益を申告する必要があります。
つまりドル口座の利益を円に換算する必要があるのですが、換算に利用するのはポジションを決済した日のTTMのレートになります。
確定申告を行う日のTTMではないことに注意しましょう
TTMとは金融機関が対顧客に提示する日本円との両替レートのことで、営業日の午前10時頃に発表されます。
まとめ:2023年の確定申告の期限は3/15です!
ここまで海外FXの確定申告について解説してきました。
この記事のポイントは以下の通りです。
- 海外FXを含む雑所得が20万円/48万円を超えたら確定申告が必要
- 確定申告は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で行う
確定申告は初めて行う人にとっては複雑ですが、利益が発生したら必ず行わなければなりません。
2023年(令和5年)の確定申告の期間は2月16日から3月15日までなので、遅れずに行いましょう。
WikiFXでは安全性に優れた国内FX業者の利用をオススメしています。
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