ECBが追加利下げを行った背景には以下があります。1つ目はインフレ率の低下です。8月のユーロ圏インフレ率は2.2%と、約3年ぶりの低水準となりました。2つ目は経済成長の鈍化です。消費の回復が維持できず、製造業も外需の弱さにより低迷が続いています。ECBはGDPの見通しを今年については前回予想の0.9%増から0.8%増へと下方修正し、さらに2025年、2026年のGDPの見通しを引き下げました。
ECBは今後の金融政策について、データに基づいて理事会ごとに判断する慎重な姿勢を継続し、特定の利下げの道筋にコミットせず状況に応じて柔軟に対応していくと示しました。ラガルド総裁は「不確実性に満ちていることを考えれば、データに依存する姿勢は特に正当化される」と述べました。
10月の追加利下げに関しては示唆しませんでした。ラガルド総裁の会見を受け、市場では10月の利下げ観測が後退しました。
ECBの追加利下げ決定後も市場は織り込み済みであったため、相場は大きく動きませんでした。ユーロ円相場は前日比で0.05%とわずかに上昇しました。現在、ユーロ円相場は1ユーロ156円台半ばで推移しています。
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