FRBパウエル議長が議会証言!利下げに関するサプライズはなし

米連邦準備制度理事会(FRB)パウエル議長は7月9日の議会証言を行いました。議会での証言内容は、FRBの利下げ時期に対する市場の予想をほとんど変えるものではありませんでした。

パウエル議長は、「インフレ率はFRBの目標である2%を依然として上回っているものの、過去2年間で顕著に緩和している」と繰り返し述べた。また、「FRBが利下げに動く時期が遅すぎたり、利下げ幅が小さすぎたりするリスクもある」と指摘し、「いずれのシナリオも経済と雇用市場を弱める結果になりかねない」と警告しました。

パウエル議長の証言には、FRBがいつ利下げに踏み切るかについての新たな指針は示されませんでした。パウエル議長の議会証言後、CMEグループのFedWatchツールによると、9月利下げの確率は約75%に達しました。

FRBは利下げに慎重な姿勢を崩しておらず、基準金利を過去20年以上で最高水準に据え置いたまま、インフレが緩和していることを示すさらなるシグナルを慎重に待っています。インフレ率を示すほとんどの指標は、2024年を通してかなり緩やかなペースになっており、インフレが緩和していることを示しています。なお、インフレ率は3%前後で推移しており、消費者、特に所得の低い消費者に圧力をかけ続けています。

これまで米国は好調な雇用市場と個人消費が経済成長を支えてきましたが、そのペースは鈍化しています。さらに、金利上昇による借入コストの上昇も、消費者へのプレッシャーとなっています。

モーニングスターの米国市場チーフ・ストラテジストのデーブ・セケラ氏は、「もしFRBが今後2、3ヶ月の間に利下げに踏み切らないとすれば、短期的には経済がさらに弱まるリスクがあり、そうなれば経済が再加速する時期も後ろ倒しになるだろう」と述べました。

パウエル議長は本日、下院金融サービス委員会で証言します。さらに、明日には6月米CPI、12日には6月PPIが発表されます。特に明日のCPIでインフレ率が予想外に上昇した場合、利下げの可能性が出てきます。

ドル円相場は現在、1ドル161円台中盤で推移しています。

免責事項
トレードの際は自身の投資経験、目標、財務状況、リスクを取る能力等について十分検討する必要があります。
本記事はあくまでも情報提供を目的としており、投資を推奨するものではありません。
また、本記事を参考して投資した結果被った損失について、弊社は一切の責任を負いかねます。

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

WikiFXでは、テクニカル分析のやり方から、FX会社の安全性に関する情報まで『今日から役立つFXの情報』を幅広く発信しています。
そして私たちは、FX会社アフィリエイトを一切していません。
だからこそ、正しく・信頼性の高い情報を読者の皆様にお届けする自信があります。