5月の米PCEデフレーター発表!利下げ観測高まる

米商務省は6月28日、5月の米個人消費支出(PCE)デフレーターを発表しました。結果は前年同月比2.6%増(前月2.7%増)、前月比0.0%と市場の予想通りとなりました。また、食料とエネルギーを除くコアPCEは、前年同月比2.6%増(前月2.8%増、2020年11月以来の低い水準)、前月比0.1%増(2021年3月以来の低い水準)とこちらも市場の予想通りでした。PCEデフレーターもコアPCEデフレーターも上昇率が減速したことから、インフレの鈍化が確認されました。

これを受け、市場では利下げ観測が高まりました。フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む9月までの利下げの確率は約68%になり、PCEデフレーター発表前の64%から上昇しました。

連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持つ米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁はCNBCのインタビューで、「金融政策が十分に引き締め的であるという証拠が得られている」、「成長は鈍り、消費ペースも鈍化している。労働市場は減速し、インフレ率も下がっている」、「どこから見ても金融政策が機能していないとは思えない」など述べ、利下げ支持に傾いていることを示唆しました。

EYパルテノンのチーフエコノミストであるグレゴリー・ダコ氏は、「インフレ圧力は全体的に和らいでおり、(インフレが再び高まった)第1四半期の恐怖や不安はもう過去のものだと思う」、「インフレに関しては、適切なタイプのダイナミクスが見られる」と述べました。

プリンシパル・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジストであるシーマ・シャー氏は、「今日のPCEデフレーターの統計結果にはサプライズがなかったことは救いであり、FRBは歓迎するだろう」、「しかし、政策方針はまだ確実ではない。理想的には、労働市場の軟化を示す追加的な証拠と相まって、インフレがさらに減速することが、9月の最初の利下げへの道を開くために必要だろう」と述べました。

PCEデフレーターの結果を受け、ドルが売られ、161円台前半から一時は1ドル160円台まで上昇しました。しかし、その後に発表された6月米シカゴ購買部協会景気指数や同月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を上回る結果であったため、ドルは買い戻され、再び下落しました。

現在、ドル円は1ドル160円台後半で推移しています。

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