6月27日、ニューヨーク外国為替市場では、ドル円相場は再び160円を超え、一時は1ドル=160円台後半を付け、1986年以来の約37年半ぶりの円安ドル高水準を記録しました。FRB(連邦準備制度理事会)高官が利下げに慎重な姿勢を示し、さらに前日のニューヨーク市場での米国の長期金利の上昇を受けたことが理由だと思われます。
ユーロ円相場は1ユーロ=171.82円を付けました。これは1999年にユーロが導入されて以来の円安ユーロ高水準を記録しました。これはドル円が円安に大きく振れたことにより、円売りユーロ買いが加速したからだと思われます。
このような円安の状況を鑑み、神田財務官は6月26日夜、「最近の為替の動きは一方向」、「深刻な懸念を有している」、「高い警戒感を持って市場の動向を注視している」、「行き過ぎた動きに対しては必要な対応を取る」と円安をけん制する発言を行いました。なお、為替介入については、「特定の相場水準を対象には考えておらず、あくまで投機などによる急激な変動あるいは無秩序な動きに対して対応する方針に変わりはない」と語りました。
しかし、けん制も効果なく、円安の流れは止まらず、ニューヨーク市場ではさらに円安が進みました。市場関係者は、円相場の節目である1ドル=160円24銭を超えたこと、神田財務官の発言が投資家に強い印象を与えなかったことが、円売りを加速させているとしています。
市場では為替介入を警戒してはいるものの、一部の市場関係者は、1ドル165円、さらには170円も視野に入ると述べています。
現在、ドル円相場は1ドル=160円台中盤、ユーロ円相場は1ユーロ=171円台中盤で推移しています。
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