今週のニューヨーク市場は、ハイテク株の動きに投資家の目が集まっています。先週、ダウ工業平均株価は209.83ドル下落し、0.54%のマイナスを記録しました。これに対し、S&P500指数は1.58%上昇し、2週連続での伸びを見せています。ナスダック総合指数も3.24%の大幅な上昇を遂げ、2週連続での成長を実現しました。特に、エヌビディアやアップルといったハイテク大手企業の株価が大きく上昇した一方で、景気に敏感な株は幅広く下落しました。
年初からの累積では、S&P500は13.87%上昇し、ナスダック総合指数は17.84%上昇しており、双方ともに史上最高値を更新しています。しかし、ダウ工業平均株価は2.39%の上昇に留まり、5月中旬に記録した終値の最高値40,003.59ドルからは3.54%下落しています。
今週は、6月19日のジューンティーンスの祝日により市場が休場となるため、取引は4日間となります。市場の足元を支えるエヌビディアをはじめとするハイテク株の動きが、今週の焦点となるでしょう。
先週開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、メンバーの連邦資金金利(FF金利)の見通しが下方修正され、年内の利下げ予想が3回から1回に減少しました。しかし、米国の5月消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回り、5月生産者物価指数(PPI)が予想に反して低下したことから、市場では年内に2回の利下げが行われるとの期待が続いており、これが株価を支える要因となっています。ただし、株価上昇の主力となっているのはITやコミュニケーション・サービスなどのハイテクセクターであり、これらの銘柄に対する利益確定売りが強まると、市場全体の調整が行われる可能性もあります。
今週発表される経済指標には、5月の小売売上高、住宅着工件数、新規失業保険申請件数、6月のS&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、5月の中古住宅販売件数などが含まれます。また、レナー、クローガー、アクセンチュア、カーマックスなどの企業からの決算発表も予定されています。
投資家は、これらの経済指標や決算発表を通じて、市場の方向性を探ることになるでしょう。特に、ハイテクセクターの動向は、今後の市場の展開に大きな影響を与える可能性があります。市場参加者は、これらの情報を基に、自身の投資戦略を練り直す必要があるかもしれません。ハイテク株の今後の動きに注目が集まる一週間となりそうです。
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