ドル高・円安続く!米利下げ観測後退と4月PCEデフレータ注目

現在のドル円相場は、米国の利下げ開始が遠い将来になるという予測によりドルが買い支えられていますが、その方で日本の追加的な利上げへの期待から円売りがある程度抑えられています。なお、円債利回りが上昇したものの、円買いを大きく促す結果とはならなかったため、ドルの強さと円の弱さの傾向が続いています。

金曜日には米国の4月PCEデフレータが発表されます。PCEデフレータとは、米商務省経済分析局が毎月末に発表する経済指標の1つで、個人消費支出(PCE)に用いられる品目を対象にした物価の動向を示すもので、FOMC参加メンバーによる経済見通しの際に、物価見通しの対象となっています。PCEデフレータは前年比で2.7%上昇と予想されており、CPIが予想よりも弱かったことを考慮すると、市場はやや警戒しています。なお、FRBは住居費とサービスインフレに注目しており、PCEデフレータはCPIに比べて住居費のウェイトが小さいため、低めの数値が出る可能性があります。クリーブランド連銀が算出する物価予想Inflation Nowcastingでは2.68%という予想であるため、予想範囲内である可能性が高いです。Inflation Nowcastingの予想通りであるれば、利下げ観測が後退しドル買いが進む可能性があります。

利下げに関しては、市場では年内の利下げ観測を後退させています。その理由として、強い米国の経済指標と、5月28日にカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の「利上げを排除しない」などのタカ派的な発言をしたためです。短期金融市場では、年末までに1回の利下げが完全に織り込まれていますが、2回目の利下げについては35%程度の確率で予想されています。

本日は特に目立った経済指標がなく、穏やかな動きの中で上昇を試みる展開が予想されます。現在、ドル円相場は1ドル157円台中盤で推移しています。

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