ビットコイン VS イーサリアム 最近のパフォーマンスの勝敗を分けた理由とは?

ビットコイン(Bitcoin:BTC)は先月後半からビットコイン現物ETFが米証券取引委員会(Securities and Exchange Commission:SEC)に承認されるという期待感から、急騰しました。一方、暗号通貨の時価総額第2位のイーサリアム(ETH)はビットコインと比べると上昇は緩やかです。同期間、より緩やかに上昇しており、イーサリアム/ビットコイン(ETH/BTC)ペアは下落しています。

執筆時点でETH/BTCペアの価格は0.052BTCで、2021年半ば以来の最低水準で、2022年6月の安値約0.049BTCに近づいています。0.049BTCを下回ると2021年5月以来となります。

過去のデータを見ると、ETH/BTCペアの最高値はイーサリアムのパフォーマンスが良い時に付けます。ここ数年での最高値は0.085BTCです。しかし、現在では状況が逆転し、ビットコイン優位となっています。

ビットコインの現在の上昇はほぼ全てのアルトコインを上回っていて、優位性が高まっています。その結果、暗号通貨市場の時価総額全体に占めるビットコインのシェアは54.4%にまで上昇し、2021年4月以来の高水準となっています。シェア50%以上という数字は、他の暗号通貨を全てを合わせた時価総額を超えていることです。

目次

ビットコインが急騰した理由とは?

アナリストの中には、ビットコイン急騰の理由として、ビットコイン現物ETF承認への期待感の他、リスク回避を挙げている人がます。

6月に世界最大の運用会社ブラックロック(BlackRock)がSECにビットコイン現物ETFを申請したのを皮切りに、フィデリティ(Fidelity)、アーク・インベスト(ARK Investment)などが続々とビットコイン現物ETFの申請をしました。伝統金融の大手がビットコイン現物ETFを申請したことで、「今度こそ承認されるのでは?」という期待感が生まれました。さらに8月には、暗号通貨資産用会社グレースケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)とSECとの間に起こった同社投資信託GBTCのビットコイン現物ETFへの転換を巡る転換に対する裁判において、グレースケールが勝訴しまし、期待感は一層膨らみました。そんな中で、ブラックロックのビットコイン現物ETFが承認されたというニュースを受け、一気に上昇しました。結局、このニュースでは誤報でしたが、高値を維持しています。

イーサリアムが上昇しない理由とは?

コインシェアーズ(CoinShares)のレポートによると、イーサリアムは今年最も資金流出が多く、合計1億1900万ドルに上るとのことです。コインシェアーズのリサーチ責任者ジェームス・バターフィル(James Butterfill)氏によると、「ビットコインとイーサリアムの値動きの違いは、ビットコイン現物ETFへの期待感とイーサリアムへの懸念だと言います。

コインデスク(CoinDesk)とジェネシス・トレーディング(Genesis Trading)の元リサーチ責任者ノエル・アチェソン(Noelle Acheson)氏は、「イーサリアムは分散型金融(DeFi)ムーブメントの最前線にあり、スマートコントラクトのパイオニアですが、ネットワークの混雑と取引手数料の高さという問題があり、新しい競争相手が現れにくい」とイーサリアムの懸念点を指摘しています。

ビットフィネックス(Bitfinex)のアナリストはレポートにおいて、「暗号通貨の強気市場の主な要因はビットコイン現物ETFであるが、イーサリアムには上昇を後押しする理由がない」と語っています。

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