FXの手法はシンプルが最強!複雑な手法が勝てない理由を解説

「手法を勉強したのに勝てない…」

「複雑すぎてエントリーできるタイミングが全然来ない…」

せっかくトレード手法を勉強したのに、長期的に勝てていないトレーダーは非常に多いのではないでしょうか。

実はトレーダーが勝ち続けられないのは、勝てない手法を使い続けているのが大きな理由のひとつです。

この記事ではシンプルな手法こそが稼ぎ続けられる理由と、手法構築の際のポイントを解説していきます。

また実践で使えるシンプルな手法をいくつか紹介していくので、この記事を参考に勝てる手法を構築していきましょう。

目次

FXで複雑な手法が勝てない理由とは?

FXではシンプルな手法こそが勝ち続けられると言われています。

逆に、複雑な手法が勝てないのは以下のような原因が挙げられます。

それぞれ解説していきます。

エントリーに必要な根拠が多すぎてなかなか揃わない

エントリーに必要な根拠が複雑すぎるとエントリーポイントがほとんど見つからず、思ったように資金が増えていきません。

例えばエントリーに必要な根拠を以下に決めているとします。

  • 平行チャネルにタッチ
  • ダブルボトムかダブルトップを形成
  • RSIが80以上でショート、20以下でロング
  • MACDがゴールデンクロスでロング、デッドクロスでショート

4つの条件を確実に満たしていないとエントリーしてはいけない複雑な手法です。

ここで実際のチャートを見てみましょう。

この画面には約20日分の15分足チャートが表示されています。

綺麗な平行チャネルが形成されていますが、チャネルタッチの際、ダブルボトムやダブルトップを形成している場面はほとんどありません。

さらに1か所だけある赤い四角で囲われた「チャネルタッチ+ダブルボトム」が見られる状況でも、RSIは紫色の枠の下限である20を割っていません。

そのため、この画像ではチャートが20日分あるにも関わらず1回もエントリーできない状態です。

このようにエントリー根拠を詰め込みすぎて手法が複雑になってしまうと、ほとんどエントリーできるタイミングがありません。

その結果、痺れを切らしてルール外のトレードをして想定外の損失を被ってしまう可能性があります。

過去相場に過剰な最適化がされている

複雑すぎる手法は過去相場に過剰な最適化が行われており、現在のチャートでは全く強みの無い手法になっているケースもあります。

手法は複雑なほど相場の性質が変わった時のメンテナンスが重要になり、ずっと同じルールで運用し続けるのは難しくなります。

例えばレンジ相場向けに厳しいエントリールールを設けた手法をトレンド相場で同じようには使えません。

この現象は勝てないEAでよく見られます。

勝てると書かれている手法を搭載したEAでも負けトレードが続き、最終的に資金を大きくえらしてしまった経験を持つトレーダーは多いのではないでしょうか。

例え過去5年間のバックテストが行われたEAでも、現在の相場に合わせてアップデートされなければ勝ち続けられません

複雑な手法ほど「ある時期はよく効いたのに最近は効かない」というサインが出てきます。

そんな時にどのサインが効かないから勝てないのか、ひとつひとつ検証するには大きな手間が発生してしまいます。

シンプルな手法が推奨されている背景にはこのような理由があるんですね。

初心者でもできる手法の構築方法は?

ここでは初心者でもできる手法の構築方法を解説していきます。

手法は複雑なものをひとつ持っておくよりもレンジ相場かトレンド相場など、状況によって使い分けられるシンプルな手法を複数持っておくと良いでしょう。

手法を構築する際、以下のようなポイントが重要です。

それぞれ解説していきます。

環境認識を取り入れ、順張りか逆張りを決める

まずチャートを開いて多くのトレーダーがチェックするのは、トレンドは発生しているか、重要なラインはどこに引けるかです。

最も単純に勝ちやすいトレードとは、トレンド発生時にはそれに追随し、重要ライン到達時には反発を細かく取るトレードです。

自分はそのどちらを狙っていくのかを決めなければいけません。

手法を作る際に陥りがちな落とし穴が、「インジケーターの数値やチャートパターンなどの売買サインに固執しすぎてチャートの全体像を見逃してしまう」ことです。

例えば画像のチャートで、ボリンジャーバンドの±2Σにチャートがタッチしたら逆張りするルールにしているとします。

全ての±2Σにタッチした場面で逆張りすると、ほとんどの場面で含み損を抱えてしまいます。

これはトレンドという重要なファクターを無視しているためです。

そのため画像のようにトレンドに従い、「下降トレンドなら+2Σにタッチしたポイントでショートを打つ」というルールに変えれば含み損を抱える期間が格段に低くなったのが確認できます。

このように、RSIやMACDのようなインジケーター、チャートパターンなどを根拠に加えるとしても、必ず順張りか逆張りに限定するようにしましょう。

特にトレンドフォローはそれだけで大きな根拠になりうるので、他にいくつもの根拠を作らなくても勝ちトレードになりやすいのが特徴です。

ダウ理論などを利用して相場のトレンドを環境認識に取り入れれば、エントリー時の根拠は2つや3つで十分です。

スキャルピング・デイ・スイングのどれを使うのか決める

手法を決める際はエントリーから決済までどのくらいの時間を要するのかを想定しておくのも重要です。

スキャルピング・デイ・スイングの違いは以下の通りです。

  • スキャルピング・・・1分足や5分足などを根拠に数分から十数分程度で決済するトレードスタイル
  • デイ・・・15分足や1時間足などを根拠に数十分から数時間程度で決済するトレードスタイル
  • スイング・・・4時間足や日足などを根拠に数日から数週間以上で決済するトレードスタイル

人によりポジションを持つ時間が長いと気になってしまったり、エントリー頻度が少なすぎると不安になってしまったり、さまざまな特徴があります。

基本的にチャートはフラクタル構造というマトリョーシカのような形状になっており、時間足が変わっても手法は使用できます。

自身の生活スタイルやメンタルに合わない時間軸でトレードしていると、いつか必ずルールを破って破綻してしまうでしょう。

自分はどの時間足だと安心してトレードできるかをデモトレードで試してみるのをおすすめします。

実際に使えるシンプルな手法

ここでは実際に利益を出せるシンプルな手法をいくつかご紹介していきます。

全ての手法に共通するのは、環境認識をしてから売買ポイントを見つける2段階構成になっている点です。

それぞれ解説していきます。

ロールリバーサルとプライスアクションの活用

ここでは以下のような手法を使用します。

  • ステップ1・・・トレンドの確認
  • ステップ2・・・ロールリバーサル確認でエントリー準備
  • ステップ3・・・プライスアクション確認でトレンド方向にエントリー

まず、前提となるトレンドフォローを行うためトレンドが形成されている場面を探します。

このようにレンジ相場を上抜けして上昇トレンドが始まっていますが、再び小さなレンジを形成しており、この後再び上抜けする確率が高いと考えられます。

これでエントリーまでのステップ1は完了です。

少しチャートを進めると予想通り小さなレンジを上抜けしましたが、次はレンジのレジスタンスになっていたラインに値が降りてきてサポートされました。

ロールリバーサルが確認され、ステップ2は完了です。

最終ステップのプライスアクションですが、15分足を見ると長い下ヒゲを付けた陽線が発生しています。

長い下ヒゲを付けた陽線は上昇を示唆しているため、ステップ3のプライスアクションもクリアでロングエントリーが可能です。

その後連続で陽線が確認されてしっかり利益を獲得できました。

押し目買いのトレンドフォローをしているだけなので、非常にシンプルな手法です。

エントリーできそうなプライスアクションのバリエーションさえ増やせば、その分狙えるチャートも増えていくでしょう。

フィボナッチリトレースメントを使ったトレンドフォロー

ここで使用する手法は以下のような構成です。

  • ステップ1・・・トレンドの確認
  • ステップ2・・・押し目発生時にフィボナッチリトレースメントを引く
  • ステップ3・・・フィボナッチリトレースメントの0.382~0.618にタッチして再上昇したらロング

まずはトレンドの確認ですが、高安値を切り上げてしっかり上昇トレンドが発生しています。

これでステップ1は完了です。

チャートを進めてみると、大きく下落して押し目を形成しています。

押し目がどこまでで止まり再上昇するのか、それを判断するためにフィボナッチリトレースメントを使用します。

フィボナッチリトレースメントとは、ひとつの波に対する押し目がどこまで深くなるかを予測するツールです。

フィボナッチリトレースメントは押し目の対象となる波の開始地点から終了地点までを引きます。

フィボナッチリトレースメントを引いて押し目の終わりを待っていると、0.618の位置で大きく跳ね返りました。

ここでロングして、結果的に大きな利益を残しています。

トレンドフォローなら利益確定位置は最低でも直近高値、損切り位置は直近押し安値の下抜けやフィボナッチ0.618の下抜け確定など、手法構築の際は決済位置も必ず手法に組み込んでおきましょう。

レンジで使える逆張りスキャルピング

レンジの逆張りスキャルピングの例として、以下のような手法を使用します。

  • ステップ1・・・高安値が安定しているレンジを見つける
  • ステップ2・・・レンジの上限下限でエントリー準備
  • ステップ3・・・プライスアクションを確認してエントリー
  • ステップ4・・・損切りをレンジの上限下限を突き抜けたら損切り、リスクリワードが1:1になる時点で利益確定

まずはレンジを探しますが、画像のように高安値が安定しているレンジでなければエントリーの判断が非常に難しくなってしまいます。

画像のチャートは綺麗に高安値が揃っているため、ステップ1は完了です。

チャートを進めてみると、レンジの下限にタッチしたためステップ2が完了し、ここでプライスアクションの確認に入ります。

レンジ下限にタッチした陰線の次に、それを包み込むように長い陽線が確定しています。

これは包み足と呼ばれ、直前のロウソク足を否定して相場が進んでいく予兆です。

ここでロングエントリーし、損切りをレンジ下限を下に突き抜け、利益確定をそれ以上の幅に設定します。

スキャルピングはもともと狙う値幅が小さい分勝率が高いですが、リスクリワードを1:1以上に保てば勝率を多少は下がりつつも長期的に利益が残りやすくなります。

結果的に数十分で利益を獲得してトレードを終了しました。

スキャルピングは1回の損切り額が大きくなる傾向が高く、数日かけて積み上げた利益を1回の損切りで吐き出してしまうケースもあります。

その結果メンタルが崩壊しルール外のエントリーをしてしまうトレーダーも多いため、リスクリワードは低くても1:0.5以上は保っておくと安定したトレードを実現できるでしょう。

リスクリワードとは、損切りと利益確定の割合を指します。
1:1だと損切りと利益確定の値幅が同じ、1:2だと損切りに対して利益確定の値幅が2倍ある計算です。

インジケーターをサインにしたトレンドフォロー

インジケーターの例として、MACDを活用したトレンドフォロー手法を解説します。

  • ステップ1・・・トレンドの確認
  • ステップ2・・・押し目を確認し、エントリータイミングを待つ
  • ステップ3・・・MACDのゴールデンクロスを確認し、ロングエントリー

まずは画像の通り、高値と安値を切り上げている上昇トレンドを確認しステップ1は完了です。

チャートを進めると価格が下がってきて押し目の形成が確認できるので、ステップ2は完了です。

押し目の終焉サインとなるのがMACDです。

2本の線が上向きにクロスする「ゴールデンクロス」が上昇のサインとなるため、ゴールデンクロスと同時に下落勢いが落ちてきたらロングエントリーのタイミングです。

画像のように、この手法は多くの場面でチャンスのある勝ちやすいものとなっています。

しかしこの手法だけではトレンドの終焉は判別できません。

ダウ理論などのトレンド判断基準も取り入れ、環境認識の精度を向上させる必要があります。

環境認識の判断などは手法を頭に叩き込むだけではなく、感覚的な判断力を磨いていかなければならない側面もあります。

三尊とインジケーターを使用した逆張りトレード

三尊を利用した手法の例としては、以下の手順でのエントリーになります。

  • ステップ1・・・トレンドを確認する
  • ステップ2・・・三尊が作られている過程を確認する
  • ステップ3・・・三尊の右肩でMACDがデッドクロスしているのを確認してショートエントリー

まずは画像の通り上昇トレンドが形成されているのを確認し、ステップ1は完了です。

次に浅い押し目を付けて上昇後大きな押し目を形成しており、三尊形成の予兆を確認します。

結果的に大きな押し目は直近の小さな押し目よりも深く落ちています。

このように三尊は右肩の安値が左肩の安値を下回った場合、三尊の形成後に下落する確率が高まります。

三尊の右肩を形成するために上昇し始めましたが、ここでMACDがデッドクロスを起こし下落を示唆しています。

最終的に鋭く下落していき、三尊の天井から底までと同じ値幅を取り利確しました。

今回のトレード例で見られたように、三尊やダブルトップなどのチャートパターンは反発を取りやすい形です。

さらにインジケーターは示す数値が極端に動いたり、ゴールデンクロスやデッドクロスを見れば反発を取りやすいツールです。

今回は反発を取りやすいふたつのツールを掛け合わせる手法で逆張りトレードの成功率を上げました。

シンプルな手法を使いこなして確実に利益を積み重ねよう

この記事では複雑な手法が勝てない理由や手法構築の際のポイント、実際にシンプルな手法を使ったトレード例をいくつか解説しました。

今回紹介した手法は15分足や1時間足、日足を含むどんな足でも通用するものです。

シンプルな手法を使いこなせれば、朝に環境認識を行い、昼はスマホでエントリータイミングを探ってトレードするという戦い方もできるようになります。

noteやTwitterなど巷で公開されている手法を学ぶときは、まず「環境認識をしっかりしているか、売買基準は複雑では無いか」をチェックしてみましょう。

それらを満たしていない手法は長期的には非常に不安定な手法なので注意が必要です。

まずはこの記事を参考に、自分なりにシンプルなルールで手法を考えて検証してみてはどうでしょうか。

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この記事を書いた人

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