FXで重要なFOMCとは?政策金利発表が市場に与える影響を解説

FXでは事あるごとに、米国の金利が話題にあがります。FOMCが行う金利発表の結果がFX市場に大きな影響を与えています。そもそもFOMCとは何なのでしょうか? どうやってFXトレードに活かせばよいのでしょうか。

FEDとかFRBもあるよね。

日本語で見ると何か難しくない?

用語がいろいろある上に、
難解な日本語訳で混乱しがちです。

今回は、FOMCの基礎知識とFEDFRBとの違い米国の金利が発表される流れなどをわかりやすい言葉でカジュアルに解説していきます。 FXトレードに活用する方法や、米国の金利予測ツール「FEDウォッチツール」もご紹介しますので、どうぞ参考にしてみてください。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            

この記事でわかること
  • FOMC、FED、FRBとは
  • 政策金利発表がFXに与える影響
  • 政策金利の発表の流れ
  • 政策金利発表後の流れ
  • 政策金利予想「FEDウォッチツール」とは
  • FOMC発表時のトレードのコツと注意点
目次

FXに影響を与えるFOMCとは?

まずは、FOMCの基礎知識から始めてみましょう。FOMCの仕組みや歴史をわかりやすくカジュアルに解説していきます。

エフ・オー・エム・シー
って何なのでしょう。

FOMC(エフ・オー・エム・シー)の基礎知識

FOMC(エフ・オー・エム・シー)とは、 Federal Open Market Committee(フェデラル・オープン・マーケット・コミッティ)を略したもので、米国の金利を決定する組織・会合のことです。

国が決める金利のことを政策金利といいます。

ここでいうフェデラルとは「国」や「お役所」「政府」を指す言葉。オープン・マーケットは「国の資金(国庫・財源)を取引する市場」、コミッティは「委員会」のことです。国の資金に対するルールを決める委員会、といった感じです。

FOMC 会議室
出典:Federal Open Market Committee – Federal Reserve History

米国には、日本でいう「日本銀行」や、英国の「イングランド銀行」のような、国の資金を管理する中央銀行がありません。1913年に中央銀行にかわる機関としてFOMCが設立されました。

FOMCが政策金利を決めたり、通貨の流通量を調整したりと米国の中銀(中央銀行)としての役割を果たしています。

日本語で直訳すると「連邦公開市場委員会」となりますが、訳がわかりません。中央銀行にひとしい米国の組織・会合のことを「FOMC」と覚える方がわかりやすいです。

FOMCってどんな仕組みなのか

WikiFX 筆者作成

FOMCのメンバーは、米国の12州(地区)のフェデラル・バンク(政府系の地方銀行)から代表が12名選ばれています。FOMCのリーダーを含めたトップメンバー7名が組織を仕切り、プラス5名のメンバーが加わります。

FOMCの構成メンバーが選出される12州

ボストン、NY、フィラデルフィア、アトランタ、サンフランシスコなど、これら12州の銀行のメンバーが集結したのがFOMCです。

12名のFOMCメンバーが会合・投票を行い、雇用と物価の安定を図るための金融政策を決定します。

FOMCが行う金融政策の例

  • 政策金利の決定
  • 発行する通貨量の調整
  • 景気回復の支援策
  • 雇用安定の支援策

FOMCは、年に8回、約6週間ごとに開催。翌年の年間スケジュールが年度末までに公開され、あらかじめスケジュールが確認できます。

日本でも日本銀行の「日銀会合」にて
金融政策が討議されています。

参照:About the FOMC – Federal Reserve. gov

FOMCとは – 日経新聞

FOMC政策金利の仕組み

FOMC金融政策の中でも、とくに注目すべきなのが政策金利の発表です。

政策金利とは、預金や貸付にかかる金利のベースとなる金利水準のことです。ほとんどすべての金融商品の金利が政策金利を目安に変動していきます。(ほとんどの国で採用されている政策)

フェデラル・ファンド 金利の推移(1970年~2024年)
出典:Economic Data – ST. Louis

米国の政策金利は、まず、民間に貸すための国の資金「フェデラル・ファンド」に反映されます。フェデラル・ファンドの金利が高いと借りる人が少なくなり、経済が停滞に向かいます。経済が停滞すると消費・投資が低下し物価が下がります。

  • 金利を上げる → 消費・投資が低下 → 物価が下がる → 景気が悪くなる
  • 金利を下げる → 消費・投資が向上 → 物価が上がる → 景気が良くなる
FOMC政策金利と物価の関係
WikiFX 筆者作成

「利上げ」「利下げ」などを行い、景気や物価を調整することがFOMCの目的とされています。

  • 「利上げ」・・・金利を上げる
  • 「利下げ」・・・金利を下げる
  • 「据え置き」・・・金利を現状のまま変えない

FED・FRBとの違い

FOMC以外でも、米中銀を表す用語にFED(フェド)、FRB(エフ・アール・ビー)などの用語があります。大まかには、これらの用語に大きな違いはありません

参考までに、それぞれ、どのような意味なのか軽くチェックしておきましょう。

FED(フェド)とは

FED(フェド)とは、Federal Reserve System(フェデラル・リザーブ・システム)を最初の3文字に略した言葉です。フェデラル・リザーブのリザーブとは、国の預金・金庫のことを表していて、中央銀行のように国の資金を管理する制度を指しています。

フェデラル・リザーブ・システムと毎回言うのは長ったらしいので、FED(フェド)と呼ぶようになりました。

FEDを日本語に直訳すると「連邦準備制度」といい、意味不明です。「米国の中銀制度 = フェデラル・リザーブ・システム = FED」と覚えた方が全然簡単です。

FEDはFedと記されることもあり、どちらを使うといった決まりはありません。(媒体によって色々です)

FOMCのことをFEDミーティングといったり、単にFEDといったりもします。米中銀や政策金利関連のことだと理解しておけばOKです。

FRB(エフ・アール・ビー)とは

FRB(エフ・アール・ビー)は、Federal Reserve Board(フェデラル・リザーブ・ボード)を略したもので、「米中銀のトップメンバーの組織= FED(FOMC)を構成するメンバー」を指す言葉です。細かくいうと、トップ7名を指します。

日本語ではFRBのことを「連邦準備制度理事会」と呼んでいて、イメージしづらく難解です。「米中銀、フェデラル・リザーブの委員会」のことだな、と覚えた方がFEDやFOMCへの理解が深まるでしょう。

FEDのことをFRBと呼んだりと、大まかには両者に違いはありません。

FOMC・FED・FRBの使い分け

FOMC・FED・FRBを厳格に適切に使い分けたい場合は、以下のように分類するとよいでしょう。

  1. FEDの会合、ミーティング(金融政策・金利の決定など) → FOMC
  2. 米中銀(中銀や制度などを表す) → FED
  3. 米中銀委員会(特定の人物やメンバーを表す) → FRB

※米国の金融系メディアでは「FED」が使われるケースが多いようです。

とにかく「フェド」「フェド」って
覚えておけば簡単ですね。

なぜ米国には中銀がないのか

FOMCやFEDのことが大分わかってきました。しかし、ここでなぜ、米国には中央銀行がないのか疑問に思う方もいるでしょう。

米国に中銀がない理由は、米国は州ごとに法律や政治のシステムが独立していて、中央集権的な銀行が設立できないからです。アメリカ合衆国という名の通りに、独立した小国(各州)が集結して米国を形成しています。複数の国がEU連合を形成しているのと似ています。

独立志向の各州のシステムから、以前はフェデラル・リザーブの存在さえも必要ないとされていました。

FEDの歴史をちょっと覗いてみよう

出典:Fed History Overview – Federal Reserve History

この機会に、ちょっとFEDの歴史を覗いてみましょう。

FEDの前身となる金融システムが米国に誕生したのは、1775年アメリカ独立戦争のときです。アメリカ合衆国で最初の紙幣「コンチネンタル」が発行されました。

米国が発行した最初の紙幣「コンチネンタル」
出典:U.S. Currency – Federal Reserve Education

そして1791年、フィラデルフィアで米国初の中央銀行「the First Bank of United States」が設立されました。 しかし、自由と平等の精神から、この銀行は国民の反発を得て1811年に消滅しました。その後1863年にかけて、政府系の銀行(フェデラル・バンク)が数多く設立され、自由に紙幣の発行などが行われていきます。

そして、政府系の銀行が増えすぎたため、1912~1913年に、国全体の銀行を統括するためのFEDFRBが設立されたのでした。

このあたりから、かつては金の引換券のような役割を果たしていた紙幣が、単体で使われるようになったことを契機に「FOMC」にて金利が統一管理されるようになったのです。

2008年リーマン・ブラザーズの経済破綻(看板を処分する様子)
出典:Lehman Brothers to fail – Federal Reserve History

FEDの勢力・存在感が強まったのが、2007年~2009年の経済恐慌「リーマンショック」です。

リーマンショックは、大手投資銀行の1つである「リーマン・ブラザーズ」の経営破綻をきっかけに世界暴落を引き起こした有名な出来事です。スイスフランショックと並んで、投資のリスクを述べる時によく引用されます。

これまではFEDに依存していなかった米国各州のフェデラル銀行も、さすがにリーマン・ショック時の打撃から、中央銀行的な存在が必要だと認識するようになりました。2007年以降に、経営難に陥ったのはリーマン・ブラザーズだけではありませんでした。JP MorganやGoldman Sachsなど超大手金融が勢ぞろいで破綻の危機に陥ったのです。

当時FEDは、大手金融の経営破綻やパニック売りにストップをかけるために、利下げと巨額の救済措置(支援金)を実施。米経済は一難を乗り越えました。ちなみに、ウォーレン・バフェットも救済拠出金を提供し一役かっています。

USDJPY 週足チャート(2007年~2011年)

以来、FEDの存在意義が再認識され、新型コロナウイルスの時も同様にFEDが活躍、米経済の安定と成長に大きな役割を果たしています。とりわけ、FOMCで発表される政策金利は、世界の金融市場に多大な影響を与えるデータとして注目されているのです。

参照;History of Federal Reserve – Federal Reserve Education

なお、FXで重要な経済指標について以下の記事でまとめています。こちらもご参照下さい。

FOMC政策金利の発表はいつ?FX市場はどうなる?

出典:Photo gallery – Federal Reserve Gov

では、FXに強大な影響を与えるFOMC政策金利は、いつどのような流れで発表されるのでしょうか。また、どのようにFXに影響を与えるのでしょうか。

発表当日って本当に凄いんです!
知らないでいると、
大変な目に合うかもしれません!

ここでは、FOMC発表前から、発表直後、翌日への影響などを一連の流れで解説していきます。

ステップ1.金融政策発表前

FOMC政策金利は、FXだけに限らず世界の金融市場において最も重要な発表だといっても過言ではありません。したがって、FEDの動きについて世界中の投資・金融機関が早くから予想・分析を行っています。

1か月ぐらい前から政策金利予想がFX取引にも織り込まれてくるのですが、本格的に意識されるのが2週間ぐらい前でしょうか。

米国の政策金利が上がるか下がるかで、米ドルの動きが変わり、さらに株式やコモディティなど多くの金融商品が影響を受けます。

政策金利 利上げ・利下げによる米ドルのイメージ
WikiFX 筆者作成

状況にもよりますが、原則として「利上げ → ドル高騰」「利下げ → ドル急落」と見るのが一般的です。(一概にはいえない)

予想に反する結果となった場合、恐ろしいほどに急激な値動きとなるため、おおむねの市場予想を把握しておくことが欠かせません。

会合の日程を確認・市場予想をリサーチ

FOMC政策金利の発表が近づいてきたら、正確な日時のチェックと市場予想のリサーチ・情報収集を行うことが大切です。市場予想を参考に各自のトレード戦略を立てるようにします。

FOMC発表に向けて準備
  • 会合の日程・時間(日本時間で調べておこう)
  • 政策金利発表の日程・時間(日本時間 午前3時~4時あたりが多い)
  • 市場予想・観測(市場ではどう見ているのか情報を収集)

ステップ2.FOMC金融政策会合の開催前

FOMCのミーティングが開催される前は、FX市場は「様子見」と「激しいボラティリティ」が繰り返される傾向にあります。とくに政策金利発表前の「米雇用統計」「失業率」「CPI」「ISM」「PPI」など重要指標の結果に世界が注目しています。

なぜなら、これらの経済指標の結果からFEDの判断が影響を受けると考えられているからです。

政策金利と関連する指標数値の見方金利への影響
米雇用統計プラスだと好景気利上げ予想が強まる
失業率マイナスだと好景気利上げ予想が強まる
CPI(消費者物価指数)プラスだと物価が上昇利上げ予想が強まる
ISM(製造業指数)プラスだと好景気利上げ予想が強まる
PPI(生産者物価指数)プラスだと物価が上昇利上げ予想が強まる

以上のように、データが好景気や物価上昇を示唆した場合は、「利上げ」や「利下げ却下・現状維持」といった予想が強まります。一方では、数値がマイナスで経済の悪化が見られた場合は、経済を活性化させるための「利下げ」観測が強まることになるのです。

直前に発表される指標から金利予想も変わってくる

では、参考までに政策金利発表前のCPI(消費者物価指数)が米ドルに与える影響を見ていきます。

政策金利発表前のCPIによる影響
  • 3月21日:FOMC政策金利の発表
  • 3月12日:米CPIの発表

当時の市場観測では、「CPIが低下すれば利下げの可能性が高まる」「CPIが上昇すれば金利据え置き・利上げの可能性すら出てくる」といった状況でした。結果として、「CPIは上昇」「利下げの可能性が弱まり・金利据え置き」の予想からドル円は瞬発的に1ドル以上ジャンプしています。

発表前の経済指標とチャートの動き

実際に、過去チャートにて3月12日時点に戻ってみましょう。

USDJPY 30分足・15分足チャート

上図チャートのように、金利決定の重大要素となり得る経済指標の発表時にはボラティリティが高くなるのです。

FOMC発表前の重要指標に注目

雇用統計、失業率、CPI、ISM、PPIなど、重要指標の発表スケジュールもチェックしておきましょう。

ステップ3.FOMC金融政策発表 直前・直後

さて、いよいよFOMC政策金利の発表が近づいてきたら、2,3時間前には準備しておきたいものです。ただし、政策金利の発表は日本時間「午前3時~4時あたり」になることが多いため、早朝に早起きしてNZ市場~東京市場で取引する方法もあります。

リアルタイム取引で用意しておきたいのが、
カウントダウンやFOMC発表の速報ツールです。

https://twitter.com/urufumuratasagi/

FOMCリアルタイム速報ツール

リアルタイムで政策金利発表の速報を得るには以下の方法があります。

用意しておきたい速報ツール

ヒロセ通商の速報はわずか数秒の遅延で、国内では「速い!」と評判です。あと、速さにこだわるなら「FX Street Economic Calender」がほぼリアルタイムでおすすめです。

FOMC政策金利の発表とチャートの動き

政策金利発表時のUSDJPYチャート(15分足/1分足)

政策金利発表時の値動きは、それこそ秒単位です。1分内で50pips以上動くこともざらで、秒単位・分単位での素早い行動が求められます。

タイミングを逃すと、約定が大幅にずれ込みますので、全力集中での真剣勝負です。あっという間に荒稼ぎできると同時に、残高のほとんどを失うリスクもありますので十分に注意しましょう。

経済指標トレードはFX初心者には絶対におすすめできません。

ステップ4.FOMCの記者会見~翌朝

そして、政策金利発表はまだ終わっていません。この後、発表から30分後の記者会見(FOMC Speech)で相場はさらに乱高下する可能性があるのです。

https://twitter.com/semiritaia_suzu/

記者会見のライブ中継がYoutubeでいくらでも探せます。英語版が多いですが、日本語版も出てきます。自動翻訳ができるLIVE中継もありますので、その時々で探してみましょう。前日~1時間前ぐらいからアップされ始めます。

記者会見のLIVE中継を探しておこう

Youtubeの検索欄に「FOMCライブ」「FRB記者会見」「FOMC Speech Live」「FRB LIVE」などで検索すると、ライブ中継のチャンネルが探せます。

Youtube FOMC記者会見ライブの例はこちら(英語版

https://www.youtube.com/

Youtube FOMC記者会見ライブの例はこちら(日本語版)

https://www.youtube.com/

FRB議長の記者会見とチャートの動き

記者会見では、FRB議長が今後「利上げ」や「利下げ」「据え置き」のどちらの方向性を考えているのか、が価格動向のヒントとなります。

  • 利上げを示唆→ ドル上昇の可能性
  • 利下げを示唆 → ドル急落の可能性

FOMC記者会見とチャートの動き

2024年3月21日のFOMCの場合は、パウエル議長のスピーチにて「利下げ」の可能性が高まったため、ドルは急落しました。

記者会見時のUSDJPYチャート(15分足/1分足)

記者会見の内容次第で投資家心理も激しく変動していきます。上図チャートの場合は数分で1ドル急落する場面がありました。

NZ市場・東京市場のトレード

ここまで見てきた、FOMC政策金利の発表~記者会見までの動向が、数時間後のNZ市場、東京市場へと引き継がれていきます。

翌朝になれば、大手メディアや個人トレーダーたちがさまざまな見解・情報を発信しますので、情報をチェックしてからトレードに臨むことができます。

ステップ5.FOMC議事録の公開

一難去ってまた一難。1つの政策金利発表が終わると、市場は次のFOMCの展開に視点を移していきます。次の政策金利がどうなるのか、参考になるのがFOMC議事録です。FOMC議事録とは、FEDの現時点での見解やメンバーのスピーチをまとめたものです。

FOMC議事録のスケジュールは、経済指標カレンダーから確認できます。メンバーごとに、将来の見解は異なるため1つの材料として見ることができます。

FOMC議事録で様子を探る

FEDのメンバーはそれぞれ、「利上げ志向」なのか「据え置き or 利下げ志向」なのか、探ることでヒントが得られるでしょう。Xからも情報が探せます。

https://twitter.com/Kamada3/
https://twitter.com/hapy_lupy/

ステップ6.次のFOMC政策金利に備える

FOMC政策金利の予想は、毎週発表されるさまざまな経済指標の結果や地政学的ニュースなどから、日々変化していきます。

経済指標の結果からFX相場が大きく動くのは、各種データが次のFOMCの「利上げ」や「利下げ」の判断材料ともなり得るからです。それほどに、米国の政策金利が金融市場にもたらす影響は大きいといえます。

次の政策金利の材料をチェック!

「予想を超えるデータ → 利上げ(据え置き)・ドル上昇」「予想を下回るデータ → 利下げ・ドル下降」の可能性が出てきます。政策金利を念頭に重要指標をチェックすることで、勝てるトレードにつながるでしょう。

そっかー。
FOMCとFXの関係がなんだか
わかってきた!

FOMCの政策金利を予想!FEDウォッチツールの使い方

FOMCの政策金利予想はいろんな説があり、いざ、自分で予想を立てようと思っても難しく感じるでしょう。そこで、ぜひチェックしておきたいのがCMEが提供している「FEDウォッチツール」です。

どんなツール?
何がわかるのでしょうか?

FEDウォッチツールとは

https://www.cmegroup.com/ja/

「FEDウォッチツール」、世界最大の先物取引所CMEグループが提供する政策金利の予測ツールです。

CMEで取り扱う先物商品に「FF金利先物」という商品があります。「FF金利先物」の取引価格の統計をとって将来の政策金利を予想する、といったものです。

※FF金利とはフェデラルファンドの金利のこと

ではここで、CMEグループについて簡単にご紹介しておきましょう。

CMEとは

CMEグループの正式名称は、Chicago Mercantile Exchage(シカゴ・マーカンタイル取引所)といい、世界初の先物取引所として1848年に設立されました。

当時はトウモロコシなどの農作物を中心に将来の価格が取引され、取引の担保として保証金を預かるシステムを採用。これを機に「証拠金取引」の概念が確立されたのです。

シカゴ・マーカンタイル取引所
出典:What is Chicago Mercantile Exchange – Medium

現在は、農作物以外でも原油・天然ガス・株価指数・貴金属・暗号資産・通貨などの豊富な種類の先物商品がCMEで取引されています。

先物商品では将来の価格を取引

先物取引は、現在の価格ではなく1か月先、2か月先の価格を取引します。

  • 1か月後に○○円で買うことを約束する
  • 1か月後に○○円で売ることを約束する
WikiFX 筆者作成

例えば、レストランのオーナーがトウモロコシの値段がこれから上がりそうだと思った時に、1か月後に110円で購入予約をしておくようなものです。1か月にトウモロコシが1本110円で買える商品券を買っておくイメージですね。

もっと値上がりしそうだと思えば、今のうちに2か月後の予約をしておくこともできます。予約する人が増えるほどに将来の価格も値上がりすることになります。(その反対もある)

先物商品の価格を見ることで、商品の将来的な動向がある程度予測できるといわれています。

FF金利先物とは

そこで、「FF金利先物」とはどのような商品かというと・・・

米国の政府系銀行、フェデラル銀行の貸付における「将来の金利」を予想・売買する商品です。

  • 1か月後に金利が上がると予想 → FF金利先物の価格が上昇
  • 1か月後に金利が下がると予想 → FF金利先物の価格が下降

つまり、FF金利先物の価格からFOMC政策金利の市場予想がうかがえるというわけです。

「FF金利先物」の取引状況から相場予想の統計をとったものが「FEDウォッチツール」となります。

FEDウォッチツールの使い方

FEDウォッチツールの見方はとても簡単です。

日本語が使えますよ。

「CME FEDウォッチツール」と日本語で検索すると、日本語版が表示されます。

予想の見方

最初に出てくる画面が、現時点での直近(来月)の金利予想です。

https://www.cmegroup.com/ja/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html

左上にあるタグ「Current」は「現在」のこと。一番上にあるタグは先物の日時です。

約2年分の予想状況が確認できます。

グラフの数値「500~525」「525~550」とは、金利の%をポイントに表したものです。

このグラフから5月の政策金利においては、以下のような市場予想が伺えます。

  • 政策金利5.25%~5.50%の予想が94.1%
  • 政策金利5.00~5.25%の予想が5.9%

ちなみにタグを7月に切り替えてみると予想状況は以下のとおりです。

https://www.cmegroup.com/ja/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html

2か月後には「利下げ」の可能性が高まっていることがわかります。

確かに、政策金利を予測するのは難くとも、FEDウォッチツールで概ねの市場予測がわかれば、トレード戦略も立てやすくなります。

証券会社やFX会社でも、Fedウォッチツールの結果を公開するところが増えているようです。予想状況は変動しますので、時々チェックするようにしましょう。

https://twitter.com/LIGHT_FX_inc/

FOMCを活用したFXトレードのコツ・注意点

それでは、最後にFOMC政策金利でトレードする際のコツ・注意点をまとめておきます。

上手に活用していきましょう!

政策金利の発表を上手に活用しよう

  • 早めに情報収集を行いトレード戦略を立てる
  • 複数のシナリオでシミュレーションをしておく
  • 発表直後の値動きを利用してポジションを調整
  • ロスカット回避の緊急資金を用意しておく
  • 数秒・数分単位で素早く稼ぐ

成功ポイントは、事前の情報収集と複数のシナリオ設定です。状況に応じて素早く動くことが大切。

リスクをしっかり把握しておこう

  • 正確に予測することは難しい
  • 急激にロスカットリスクが高くなる
  • 乱高下に振り回されやすい
  • 損切後に価格が戻ることもある
  • 初心者にはおすすめできない

ほんの一瞬の乱高下からロスカットされる可能性もあります。小ロットに抑えておくなど対策が必要。

経済指標トレードの練習には、検証ソフトのTradeTrainerがおすすめです。お試し版が使えます。

まとめ

FOMCの金融政策発表は、世界中の金融メディアでウントダウンが表示されるほど注目度が高い重要イベントです。金融市場への影響は強大だといわれ、中でもFX市場は激しいボラティリティに揺さぶられる傾向にあります。

瞬発的なロスカットリスクは高まるものの、FOMCの発表はFXトレーダーにとって絶好の稼ぎ時です。数分たらずで大きな値動きが狙えます。ぜひとも、入念に準備しておきたいものです。

果たして、次のFOMCでは政策金利はどうなるでしょうか。ぜひ今回の記事を参考に、カジュアルに楽しみながら情報収集を行ってみてください。

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この記事を書いた人

MI001YOU ライター

投資家、デイトレーダー、ライター、アナリスト
NY移住歴5年、ロンドン1年、海外移住中に為替取引を開始。国内、海外と徹底したリサーチと最新のニュース情報が強み。毎日3社ほどのニュースメディアの情報を追っている。
FX、CFD、株式、エネルギー、貴金属、仮想通貨、国内・海外業者にて幅広い分散投資を行っている。

投資歴8年、ライター歴6年
前職:IT商材・太陽光発電・蓄電池等の営業、エネルギー関連も得意

Twitterにて投資・金融・エネルギー系の情報を発信している。

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