Forex Tester 5のトレード検証方法を画像付きで解説|レジサポ・ローソク足・移動平均線 編

最新バージョンのForex Tester 5は、これまでのForex Testerの完結版ともいえるバージョンです。検証に優れた、数々の機能がグレードアップされていて、FXトレーダーの検証における要望に応えることができます。

さっそく使いこなして、トレード戦略を立てていきたいと思った時に悩みがちなのが、検証のテーマや検証していく流れです。

何を検証すべきかわからない・・・

どういう手順で検証すればいいのか・・・

検証する前に、結構悩んでしまうのです。

そこで、今回の記事では、初心者から上級者まで幅広く使われている、FXテクニカルの基本手法「レジサポ、ローソク足、移動平均線」を検証テーマに具体的な検証方法を解説していきます。

プロジェクト設定のコツや、検証の進め方、実践に活かす方法などを、1つずつステップを踏みながら見ていきますので。とてもわかりやすいです。ぜひ、Forex Testerを実際に立ち上げながら、参考にしてみて下さい。

この記事でわかること
  • Forex Testerの具体的な検証テーマを決め方
  • テーマに沿って検証するステップ
  • レジサポ、ローソク足、移動平均線を例にした検証方法
  • 検証結果からトレードルール・手法を考案する方法
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目次

Forex Tester でトレードを検証してみよう!

Forex Testerは検証用のチャートツールです。トレードを検証することで、Forex Testerの機能を満喫することができます。ありがちなチャート分析のように、出来上がったチャートを見てエントリーやエグジットを検討しても、本当の意味では検証しているとはいえません。

Forex Testerのように、先が見えないチャートを動かしながらトレードするからこそ、リアルで深い検証が可能なのです。

だからといって

データを入手して、
とにかくトレードしてみればいいのかな・・・

と目的もなく、トレードしても
あまり高い効果は得られません。

Forex Testerの機能を最大限に活かすためには、まず、検証テーマを決めておくことがベスト。しかし、ここで、どうやってテーマを決めていけばよいのか悩む方は多いでしょう。

検証テーマに悩んでいる?

テーマを決める方法は、普段のトレードを振り返ることから始まります。

例えば・・・

  • ドル円でレジサポブレイクを狙ったら失敗して大負けした → ブレイクの勝率を検証
  • インジケーターのシグナルをよく確認せずに負けた → インジケーターのシグナルを検証
  • ポジションを持ちすぎてロスカット → 安全なポジション数を検証

失敗した原因と改善法をForex Testerの練習トレードで探っていけるのです。

レジサポ・ローソク足・移動平均線を使ってみる

そこで、今回はFXトレーダーなら誰もが使っていると思われる、レジサポ、ローソク足、移動平均線のトレード手法をForex Testerで探っていきます。様々なテクニカル手法を使う中でも、これら3つはテクニカルの基本として意識しているトレーダーは多いはずです。

実際のところ、これらが発するシグナルの有効性はどうなのでしょうか。

初心に戻ったつもりで、改めて
レジサポ、ローソク足、移動平均線に集中してみます。

プロジェクトの設定

  • 通貨ペア:USDJPY
  • 資金:1,000ドル
  • メインの時間足:30分足
  • レバレッジ:100倍(海外FX)

検証の目的:USDJPYのデイトレードでどれくらいの収益(損失)が見込めるかを検証したい。

検証テーマ:より確かなテクニカルスキルを身に着けるため、まずは基本となるレジサポ、ローソク足、移動平均線のシグナルを検証していく。

備考:合わせて、ストップアウト・プロフィットの設定も吟味していく。

といった感じで、検証する目的やテーマを絞っていけば、
何をForex Testerで見ていくのかが明確にできます。

Forex Testerでレジサポを検証

まずは、レジサポ検証から始めていきます。チャート分析では、どうしてもローソク足のシグナルを考慮してしまいがちです。そこで、レジサポのみに集中するためにラインチャートを表示していきます。

1000ドルスタートで0.1ロットずつ、
レジサポでどれくらい稼げるでしょうか。

レジサポで反転・ブレイクを検証するステップ

USDJPY 30分足 ラインチャート
  1. ステップ1.メインのレジスタンス・サポートラインを引く
  2. ステップ2.値動きに合わせてサブラインを引く
  3. ステップ3.シンプルにレジサポでトレード
  4. ステップ4. 重要と思われる位置は色を変えてラインやマークを入れる
  5. ステップ5. 後で巻き戻したい部分にはチェックを入れておく

下図チャートでは、上昇トレンドがが下降トレンドへと転換して、今、過去に上昇トレンドが開始したサポートラインを下回ったところです。どう動くかでしょうか。チャート最上部のレジスタンス赤を下に抜け、メインレジスタンス紫をブレイクして以来、急激な下降が始まり、いったん上昇に向かうなど動きづらい局面が続きました。

USDJY 30分足 ラインチャート

メインのサポートラインを確実に下回ってブレイクしています。そこで、ここから下降に向かう可能性が高いと判断し、「売り 損切70p 利確」でエントリーしてみます。

ところが・・・

下降に向かったところ、すぐに上昇へと向かい慌てて損切りした後で、一気に下降に向かってしまいました。ありがちな失敗パターンです。

時間足を変えてラインをチェック

そこで、今度は失敗したくないので、エントリー前に4時間足、15分足と1分足の動きを確認してみます。

4時間足で大きな流れを見る
USDJY 30分足 ラインチャート

4時間足で見ると、現在のサポートラインよりもずっと下の方から、大きな上昇トレンドが続いていることがわかります。今ちょうど半分ぐらい下に降りてきたところで、あと2本ぐらいサポートを下回る可能性が伺えます。しかし、一方ではもし次のサポートで反転するなら上昇に向かうかもしれません。

15分足でレートの動きを見る

15分足でレートの動きを確認するとメインラインの中間にあるサブサポートラインを下に抜けて、メインサポートをブレイクしたばかりです。

1分足でより細かい動向を探る

1分足ではメインサポートを下にブレイクした後、下降しながらも2本のサブサポートを形成。最後のサポートではちょうど反発したところです。決め手となる動きがつかめませんので次の動きを待ちます。

次のサポートで反発かブレイクか確認

USDJY 30分足 ラインチャート

拡大するとサポートのやや上で反発したところです。

15分足、1分足もちょうど反発していましたので、ここで上昇に進む可能性からちょっと強気で「買い/損切80p 利益120p」でエントリーを決めてみます。

ストップロス・プロフィット(損切・利確)の設定は、Forex Testerではpipsではなくpoint表記になっています。USDJPYの場合で「100point = 10pips = 0.1円」です。

USDJPY 30分足

結果、120pで利確できました。さらに、レートは次のレジスタンスを超えています。再度、「買い」でエントリーすべきでしょうか。

30分足、15分足、1分足を上向きでレジスタンスを超える寸前です。思い切って用心して100pで買ってみます。

OKでした。この局面では、レジスタンスですぐに反転してますので、100pにしておいてよかったようです。15分1分のレジサポの動きから、ヒントが得られことがわかってきました。30日分、頑張ってトレードを続けていきます。

USDJY 30分足 ラインチャート

後半では、なかなか方向性が定まらない状態が続き、サポートライン付近で上がったり下がったりしています。トレンド転換・継続において重要かもしれない位置に紫のラインを追加しました。このラインを超えるかどうかが、次の方向性を決めるポイントになりそうです。

レジサポの検証結果

さて、30日間のレジサポトレードが終了。以下に結果をまとめていきます。

  • 30日のトレード回数:35回(少なすぎる)
  • 損益:-28.49(ダメージも小さい・・・)
  • 勝率46%(負け率54%トータルは負け)
  • 平均利益9.30(小さすぎる・・・)

負けトレードの特徴

最高値をつけた後のレジサポ付近では、もみ合いでしばらく上下したため、無駄な損切が連発しました。損切を減らすために、損切りと利確の設定を変えてみました。

最初の設定「損切25p 利確50p」 → 安全性は高いが無駄な損切、早期の利確が多い

2回目の設定「損切100p 利確150」→ 値幅が大きすぎて取りこぼしが多い、損失が若干痛手

3回目の設定「損切50 利確100」→ 利確はそこそこ満足でも、損切が若干早すぎる

USDJPY 30分足 ラインチャート

「損切50 利確100」で3回連続で損切後に下降が続いたので「損切70~80 利確100~120」に変えてみたところ、利益が出やすくなりました。同様に、下降トレンドが下がりきった後のサポートライン付近でも、方向性が定まらない動きが続き、損切が連発しています。

勝ちトレードの特徴

USDJPY 30分足 ラインチャート

メインのサポートラインからすでに上昇トレンドが始まっている場合、サブのレジサポのブレイクは割と成功しています。上図チャートの場合は、メインレジサポ内のサブラインにて3連勝、いったん方向性が決まった後の小さなサブのレジサポは動きが読みやすいということです。

結論

  • 30分足のトレードは15分・1分も見る
  • 最高値付近や下がりきった後のレジサポは動きが読みづらい
  • 反発が多いラインは反発しやすい、ブレークしづらい
  • レジサポでもみ合った後、方向性が定まると値動きが激しい
  • 資金1000ドル、0.1ロット、「プロフィット100~120」では稼ぎづらい

トレンド継続後のメインレジサポ付近のブレイクや反発は、シグナルとしての効力は弱いかもしれません。「ストップロス/プロフィット」の調整や様子見にまわる必要があるといえます。反面、メインレジサポ内に発生するサブレジサポでのトレードは成功率が高いようでした。

メインのレジサポトレードは注意。ブレイクしたら、サブのレジサポができるのを待つ。これが今回のレジサポ検証の結果です。

また、ロット数やプロフィット設定を変えないと稼げないこともわかりました。

ちなみに、トレードをもう1度見直そうと思って、
巻き戻したらトレード履歴が全部消えてしまった!

巻き戻すと、トレード履歴も消えてしまいます。振り返りたい取引は必ず保存しておきましょう。

Forex Testerでローソク足を検証

さて、次はおなじみのトレーダーも多い、テクニカルで大人気のローソク足を検証していきます。

とはいっても、ローソク足のシグナルって
たくさんあります。

すべてのローソク足のシグナルを検証するのは無理がありますので、麗しの「モーニングスター」と注意信号の「イブニングスター」に的を絞ってみました。合わせて、強力なシグナルだといわれる「十字線」を加えて3つのシグナルを検証していきます。

ローソク足のシグナルを検証するステップ

プロジェクトを立ち上げて、準備ができたら検証のターゲットとするシグナルを決めておきます。

イブニングスター・モーニングスターは、シューティングスターの場合も含めます。その他十字線もヒントとして使っていきます。

  • ステップ1.エントリーするローソク足パターンを決める
  • ステップ2.エグジットするローソク足パターンを決める
  • チャート3.チャートを動かしてシグナルを探しながらトレード
  • ステップ4.他の時間足でも動きをチェック
  • ステップ5.気付きがあった個所には・マークを入れておく

プロフィット100~120では稼げない
ようでしたので、あえて利確設定は
なしで行きます。

さっそく、利確設定なしでローソク足のシグナルで800p行けました。トレードしながらチャートをしばらく動かしてみると、わかりやすい下降トレンドがしばらく続きました。ここで、十字線にも気を配りながらモーニングスターの出現を待ちます。

USDJPY 30分足チャート

すると、かなり長い大陽線の後で、グレーブストーンのイブニングスター(シューティングスター)が出てきました。本来なら、これは下降トレンドのシグナルと見れるのですが、この状況で出てきた場合どう解釈すべきでしょうか。流れ的には上昇に向かいそうで、重要な意味がありそうです。

4時間足で大きな流れをチェックしてみます。

4時間足の流れとローソク足
USDJPY 4H足チャート

4時間足でも、長い下降トレンドが落ち着き始めたところで、モーニングスターらしきパターンが形成されています。しかし、すぐ隣にはグレーブストーン(逆ハンマー)で期待が打ち消されています。判断に悩むのが次の長い強気のハンマーです。安値を更新しながらも、長く押し上げていることが気になります。買いが強まっているサインです。

では、次に15分と1分で動きを確認します。

15分足の流れとローソク足

15分足では、はっきりとモーニングスターが形成されていることがわかります。これは、そろそろ上昇に向かうのではないでしょうか。

1分足の流れとローソク足

さらに、1分足のモーニングスターを拡大してみると・・・・

留意しておきたいのが、モーニングスターの3本目のローソク足は、安値にくる2本目のローソク足から高くジャンプしていることです。2本目と3本目のローソク足の距離が長くなるほど、シグナルの効力は強くなる、といわれています。そう滅多に出現するパターンではありませんので、「買い 」で強気に入ってみます。

結構時間がかかりましたが・・・

USDJPY 30分足チャート

約1日のもみ合いが続いた後、価格はジャンプしました。イブニングスターが出る場所によっては、上昇のシグナルになることもあるようです。2000p以上(200pips)も上がっています。何とラッキーなことに、損切の設定も忘れていて、損切すべき局面でも耐え忍んでしまったことが功をなしたようです。

しかし、含み損の拡大は時にロスカットをもたらしますので、注意が必要です!

ストップロス・プロフィットと双方設定しなかったことが幸いして、ポジションを保有したままジャンプの波に乗ることができました。

USDJPY 30分足チャート

しばらく様子を見てみると、3,000p以上あがり、USDJPYは128.66から131.94の高値をつけました。

価格が落ち着いてきたところで、イブニングスターが2回出現、欲を出すのはやめようと無事に利確しました。このポジションは、検証で最後のポジションとなり、トータルで3日間保有したことになります。

ローソク足の検証結果

さて、今回のトレードは36日間の統計です。ローソク足シグナルのみでトレードした結果は以下のとおりです。

  • 36日のトレード回数:27回(勝ち21回、負け6回)
  • 損益:+782ドル(全然悪くない)
  • 平均利益:48.2(6,000円程度)
  • 勝率:78%(10回やって2回負け)

負けトレードの特徴

負けトレードの最大額は38ドル(5,000円)で、ダメージを抑えることができました。しかし、何とかプラスに転じたものの、危ないトレードが2つありました。

USDJPY 30分足チャート

イブニングスターの出現後に「売り」でエントリー、価格が下がった後でモーニングスターが出てきて上昇に転じたにもかかわらず、再び「売り」で入ってしまいました。「売り」2連続です。

1回目のイブニングスターにこだわりすぎたことが原因です。その後、レートは2円以上も上昇に向かいます。2日待ってようやくプラスに転じたため利確できました。

勝ちトレードの特徴

USDJPY 30分足チャート

30分足をメインで使う場合、そう頻繁にモーニングスターやイブニングスターが出てくるわけではありません。辛抱づよくシグナルを待つことが勝率につながりました。

上図チャートでは十字線が連続で出てきて、動きが乏しい様子見相場が続きます。上昇が期待できる状況にて、出てきたイブニングスターは先でも述べたように重要な意味があるはずです。15分、5分足でモーニングスターを確認、買いエントリーを果たした後、相場は急上昇しています。

結論

  • トレード機会はそんなに多くないはない
  • 1つのシグナルにこだわりすぎると、他のシグナルが見えなくなる
  • 他の時間足から裏付けをとる
  • 自分に都合のよい解釈をしてしまうこともある
  • シグナルごとに売買した方が稼げる

モーニングスター、イブニングスターと十字線は、裏付けをしっかりとるならシグナルとしての有効性が高いことがわかりました。ただし、新しく出現するシグナルにも注意が必要で、1つのシグナルにこだわらずに臨機応変に対処することが欠かせません。

ローソク足トレードでは、損切・利確の設定なしが大きく寄与していますが、設定なしは危険でもあります。今後の課題です。

結果的に、10万円で1日5000円以上稼げるとすれば、デイトレーダーとして合格ラインではないでしょうか。

本番とForex Testerでは心理状態が異なりますが、
テスト結果は戦略を立てる参考になります。
無料版がお試しで使えます。

Forex Testerで移動平均線を検証

次は移動平均線の検証に移ります。これまでの、レジサポ検証、ローソク足検証で学んだことも考慮しながら、移動平均線のシグナルのみに集中してみます。

検証テーマは、移動平均線の数あるシグナルの中でもとりわけ有名な、「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」です。

どんなトレード戦略が学べるでしょうか?

移動平均線のシグナルを検証するステップ

  • ステップ1.移動平均線を設定する(期間は任意で)
  • ステップ2.ゴールデンクロス(デッドクロス)でエントリー
  • ステップ3.デッドクロス(ゴールデンクロス)でエグジット
  • ステップ4.どの段階で売買を決めるべきか
  • ステップ5.ゴールデンクロス、デッドクロスはシグナルとして使えるのか

ゴールデンクロス、デッドクロスは非常に有名なシグナルですが、すでにご存じのトレーダーも多いように、短期トレードでは効果が得づらいという性質を持ちます。シグナルが形成された時点での売買はすでに遅しといった場面が多いのが特徴です。

大きな流れを読むには適していても、デイトレ、スキャルピングなどの短期トレードで、パラメーターの設定や活用方法に悩むトレーダーも多いと思います。今回の検証では期間の設定と、シグナルの使い方を探っていきます。移動平均線のみに集中するために、再びラインチャートです。

ちなみに検証する時は2か月ぐらい
早送りしておくと分析しやすいですよ。

USDJPY 30分足 ラインチャート

最もポピュラーな期間「20、50」を設定

よく使われている、移動平均線の設定は、「20、50、100、200」です。中長期のスイングだと200を目安にするトレーダーが多いようです。しかし、デイトレードでは200は緩慢すぎますので、「20、50」を設定します。

時間足は全部チェックを入れておかないと、他の時間足で表示できません。

トレード前に概ねの有効性をチェック
USDJPY 30分足 ラインチャート

トレード前に概ねでチェックしたところ、まずまず有効なようですので、「20、50」のゴールデンクロスとデッドクロスでトレードしてみます。

「20、50」のゴールデンクロス、デッドクロスでトレード

デッドクロスが出現しました。「売り0.2ロット/損切80p 利確設定なし」で入ってみました。想定どおりに下に向かったところ、利益が95ドルになりましたので、デッドクロスを待たずにいったん利確します。

デッドクロスで売りエントリー

まだ下がるのかどうか、ポジションを持たずに先を見てみましょう。

やはり、ゴールデンクロスを待たずに利確しておいてよかったです。ゴールデンクロスを待っていたら、利益は少なくなってました。このゴールデンクロスで「買い0.2ロット/損切80p」で行ってみます。即損切りで、デッドクロスが再び出現しましたので、他の時間足をチェックしてみます。

30分足ゴールデンクロスの後でデッドクロス出現

その他の時間足をチェック

4H足では、そろそろデッドクロスが出そうな局面。15分足ではデッドクロスが出現して、価格は移動平均線を超えています。1分足は上昇トレンドの真っ最中でした。そこで、判断に迷い様子を見ます。

デッドクロスから、またすぐにゴールデンクロス

すると、すぐにゴールデンクロスが出現価格が上にジャンプしました。15分、1分でもゴールデンクロス+上昇が確認できたので「買い0.2 損切80p」でエントリーしたところ、価格はさらにジャンプ。利確のデッドクロスを待ちます。しかし、今度も利益が100ドルを超えたのでデッドクロスを待てずに利確してしまいました。続きがどうなったかというと・・・

利確ポイントよりも低い位置でデッドクロスが出現しています。気になるのが、いったん買値あたりまで下がりきっていることです。やはりデッドクロスを待たなくてよかったようです。判断は順調なようなので、エグジットは移動平均線に依存しすぎないよう、この調子で30日トレードをしてみました。

移動平均線の検証結果

ゴールデンクロス、デッドクロスを目安に、30日間トレードした結果は以下のとおりです。

  • 30日のトレード回数:47回(勝ちトレード23、負けトレード24)
  • 損益:+600(悪くないのでは?)
  • 平均利益:53ドル(約7,000円)
  • 勝率:49%(半分は負けている)

負けトレードの特徴

ゴールデンクロスとデッドクロスのみをシグナルとした前半では、買った時の利益は大きくとも、トレード回数が少なすぎました。そこで、ゴールデンクロスにある間は上昇を狙って、デッドクロスにある間は下降を狙ってトレード回数を増やすことにしました。

価格と移動平均線との関係を吟味する中、価格の上昇と短期線の上昇に関係があるかもしれないと、試したところ、連損切と利確と5分5分でした。

価格と短期線の向きが一致した時にトレード
USDJPY 30分足 ラインチャート

上図チャートのように、価格の向きと短期線の向きの関連性は微妙で、ゴールデンクロスの延長に相場があっても、必ずしもトレンドを維持するわけではないということです。極めつけは、デッドクロスが形成された時に価格はジャンプしている点です。結果として、トレードの半分はシグナルと逆に価格は動いているのです。

そこで、試行錯誤した結果もしかしたら、価格と短期線のゴールデンクロス・デッドクロスの方が有効性が高いかもしれないことに気が付きました。

価格が短期線を上回りクロスするタイミングで上昇に向かっています。下回るタイミングで下降トレンドが始まり、移動平均線はデッドクロスでも価格と短期線はゴールデンクロスとなっていて、上昇しています。

価格と短期線の動きが、判断のヒントとなりそうです。

勝ちトレードの特徴

ゴールデンクロス・デッドクロスのトレードでは、負ける回数も多かったですが、勝つ時の利益額が大きいことが特徴です。最大利益額は1回のトレードで200ドルを超えています。

動きをチェックしてみると、デッドクロスのあとで短期線と中期線・価格も下に向かっています。また、大きく下降する前には価格と短期線がデッドクロスを作っています。

結論

以上の結果から、まず移動平均線、ゴールデンクロスとデッドクロスの有効性は50%ぐらいだということ。

価格と短期線が同じ方向に向かっていて、かつゴールデンクロス・デッドクロスを形成している時の方が、シグナルの有効性が強まる、というのが結論です。

トレードの半分は負けるかもしれませんので、損切設定は必須。一方、トレードの半分は大きく勝てるかもしれず、利確設定なしで利益を最大限に狙う方が良さそうです。

結果として600ドル稼げてはいるものの、移動平均線だけでは、ギャンブル性が高くなってしまうのが難点だといえます。

レジサポ・ローソク足・移動平均線のトレード検証

さて、いよいよ終盤です。これまでのレジサポ、ローソク足、移動平均線の検証結果の総まとめに入っていきます。

今度の検証では、3つすべてを導入して1か月のデイトレード30分足メインで10万円がどれくらいになるかを見てみます。実践にあたっての具体的な戦略につなげていきたいと思います。

3つの手法のメリットを活かし、デメリットを
相互に補える方法をForex Testerで見つけてみましょう。

レジサポ・ローソク足・移動平均線で検証するステップ

まず、レジサポ、ローソク足、移動平均線のメリット・デメリット・特徴をまとめていきます。

  • ステップ1.個々の手法のメリット・デメリットをまとめる
  • ステップ2.大まかなルール・取引条件を設定する
  • ステップ3.1か月トレードしてみる
  • ステップ4.検証結果を分析
  • ステップ5.実践に向けてのルール・取引条件を再設定する

個々の手法のまとめ

レジサポ

メインのレジサポで大きな流れが分かるが、ブレイクや反発のだましも多く、ブレイクか反転かを読むのがやや困難。いったん方向性がわかれば、サブのレジサポを目安に売買しやすい。

ローソク足(モーニングスター、イブニングスター)

15分、1分、その他の時間足で裏付けがとれた場合の成功率は高い。ただ頻繁には出現しない。ハンマーやグレーブストーン、十字線もヒントに使える。

移動平均線(ゴールデンクロス、デッドクロス)

シグナルは5分5分。短期線と価格が同方向でかつ、ゴールデンクロス・デッドクロスがあれば好ましい。読みが当たった時は大きく狙える。

検証前のルール・条件設定

取引条件
  • 資金10万円
  • 0.2ロットの取引
  • 損切80~100 ×0.2ロット
  • 利確設定なし(値幅またはシグナルを目安に臨機応変に判断する)
エントリ・エグジットの条件
  • メインレジサポ → モーニングスター・イブニングスター(15分、30分ポジティブ)、ゴールデンクロス・デッドクロス(価格と短期線)も含む
  • サブレジサポ → 十字線ポジティブ、短期線と価格が上向き、あるいは短期線がクロスを形成しようとしている
エントリーエグジットのイメージ

レジサポ・ローソク足・移動平均線の検証結果

USDJPY 30分足チャート

30日のトレード結果は以下のとおりです。

  • 30日間:76トレード(勝ち42回、負け34回)
  • 損益:730ドル(悪くはない)
  • 平均利益:35ドル(約4,500円)
  • 勝率:55%(約半分は負けている)

負けトレードの特徴

USDJPY 30分足チャート

損切が続くとムキになって、小さいトレードを続けてしまう・・・という行為が目立ちました。見るシグナルが多くなる分、1つでも該当するとつい勢いでエントリーしてしまう傾向にあります。とりわけ、100ドル前後大きく買った後は気持ちが大きくなりすぎて、シグナルの確認不足による損切りが出やすくなるようです。

メインレジサポ付近での値動きに惑わされてしまうことが弱点となっています。

勝ちトレードの特徴

USDJPY 30分足チャート

メインサポートが2本並ぶ箇所にて、すべてのシグナルが上昇を予測していました。すべてマッチしたケースは30日のうち、ごくわずかでしたが、いずれの場合も1回のトレードで100ドル~150ドルの利益になりました。

辛抱強く待てたポイントとして、移動平均線の検証が役に立っています。

移動平均線のシグナルが価格とマッチして波に乗った時は、とにかく短期線が下がり出すまで待ち続けることが利益につながりました。

トレードルール・戦略の設定

今回の結果から、10万円でデイトレードを実践する場合のルール・戦略を考案してみました。

  • 0.2ロット単位、損切160~200(早すぎず、大きすぎずといった金額)
  • 利確は基本シグナル待ちでも、金額や状況によって判断する
  • メインレジサポ紫(大きなトレンド転換となるポイント)のエントリーは避ける
  • レジサポのブレーク・反転のみでのエントリーはしない
  • エントリーは、レジサポでローソク足、移動平均線の短期線と価格動向がマッチした時のみ
  • 判断に悩む時はローソク足のシグナルを優先する(15分、1分足で裏付け)
  • 急上昇(急下降)の局面は移動平均線の短期線で利確ポイントを探る

以上の7つの項目に沿うことで、果たしてどれくらい本番で稼げるのか?それは、また別の機会に報告したいと思います。

検証する内容や、分析・解釈のやり方はトレーダーそれぞれのやり方がありますので、あくまでも検証の流れとして参考にしていただければ幸いです。

まとめ

今回ご紹介してきたように、Forex Testerを使えば短時間でも1つ1つの手法が個別で検証できたり、テーマに合わせていくらでもトレードを積んだりと、効率よくトレードルールや戦略を構築していけます。

ただ、注意しておきたいのは、実際の相場は、思いもよらない様々な要因からリアルタイムで刻々と変化するものです。その時々の市場動向やファンダメンタルズにも大きく左右される、と検証結果に依存しすぎないことが大切です。

本番ではForex Testerと同じような結果が出ないかもしれませんが、検証のたびに新しい発見があります。トレードスキルは確実にレベルアップしていくに違いありません。。ぜひ、得意とする手法・戦略をForex Testerでさらにグレードアップさせていきましょう。

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この記事を書いた人

海外在住トレーダー&ライター: NY移住歴5年、ロンドン、ロシアと海外移住しながら、 トレーディングとライティングをこなす。 日本・海外と徹底したリサーチと情報収集力が強み。毎日数社のニュースメディアの情報を追っている。 FX、CFD、株式、エネルギー、貴金属、仮想通貨と分散投資でヘッジしながら短期・中長期でバランスをとる手法。 投資歴9年、ライター歴7年 前職: IT商材・太陽光発電・蓄電池等の営業、IT・エネルギーの専門知識あり Xにて投資・金融・エネルギー・政治・動物系の情報を発信。

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