7月17日、FRBは地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表しました。ベージュブックには、米経済は大半の地区で引き続き緩やかに成長していることが示されました。しかし、一部の地区では成長の横ばいや減速も指摘されています。
- 経済成長:大半の地区では緩やかな成長が続いていますが、一部の地区では減速が見られます。
- 物価:物価は全体的に緩慢に上昇しました。
- 労働市場:引き続き堅調ですが、いくつかの地区では需給の緩みが見られます。
- 個人消費:ほぼ変わらず、または横ばいですが、ほぼすべての地区で、小売店の値下げや、価格に敏感な消費者が購入を必需品に絞る、品質を下げる、購入数を減らす、セール品を求めて物色しています。
また、米政府要人が相次いで利下げに関する発言をしました。FRBのウォラー理事は7月17日、カンザスシティー連銀での講演で、「経済は利下げが可能になる地点に近づきつつある」と発言。米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、「われわれが求めているディスインフレ傾向に近づいている」、「2ヶ月分のインフレ統計がでる7ー9月にかけて多くのことがわかるだろう」と述べ、数ヶ月内に利下げが妥当となる可能性があるとの見解を示しました。リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、「ディスインフレが経済全体に広がりつつあるようで心強い」と述べました。しかし、「持続するかどうかは一段のデータを見極めたい」とも述べています。
さらに、日本では河野太郎デジタル相がブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「為替は日本にとって問題だ」、「円は安過ぎる。価値を戻す必要がある」と述べ、政策金利を引き上げるよう主張しました。河野デジタル相の発言は金融政策決定会合に影響を与える可能性があるとして、円買いの動きが進みました。
日米の要人の発言、ベージュブックにより、ドル円相場は円高方向へと大きく動きました。ドル円相場は現在、1ドル156円台前半で推移しています。
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