パウエル議長はエコノミック・クラブ・オブ・ワシントンでの質疑応答において、インフレ率について、「3つの数値が改善し、平均すればかなり良いペースだ」、これらの数値は、インフレが持続的に減速しているという確信にいくらかつながる」と述べました。
また、「もしFRBが利下げするためにインフレ率が2%になるのを待つなら、それは待ちすぎたことになる」と述べ、インフレ率が2%に達する前に利下げを行う可能性があることを示唆し、さらに、現在の引き締め策ではインフレ率が2%を下回る可能性が高いと指摘しました。
なお、利下げの時期については言及しませんでした。市場関係者の多くは、最初の利下げが9月に行われる確率を90%と予想しています。これについてパウエル議長は、「FRBは変化するデータと見通しを頼りに、会合ごとに決定を下す」と強調しました。パウエル議長の発言を受け、ウォール街ではFRBが主要金利を23年ぶりの高水準から引き下げるとの予想を強め、また先物市場では11月と12月に追加利下げが行われると予想しています。
ハードランディングについては、「私は常に、過去の引き締めサイクルで典型的だったような労働市場の痛みを伴わずに、インフレ率を低下させる道があると感じてきた」と懸念を否定しています。
さらに、債務問題については、「私たちは本当にこの問題に取り組む必要がある。私たちの仕事ではなく、選挙で選ばれた議員の仕事である」と議会に助言するのはFRBの役割ではないとした上で、債務問題は持続不可能だと強調しました。
そして、7月13日に起きたドナルド・トランプ前大統領の暗殺未遂事件について、「わが国にとって悲しい日」だとコメントし、さらに、「米国の政治に暴力はふさわしくない」と付け加えました。
現在、ドル円相場は1ドル158円台前半で推移しています。
免責事項
トレードの際は自身の投資経験、目標、財務状況、リスクを取る能力等について十分検討する必要があります。
本記事はあくまでも情報提供を目的としており、投資を推奨するものではありません。
また、本記事を参考して投資した結果被った損失について、弊社は一切の責任を負いかねます。